虐待レベル!? 冬のユニバーサルスタジオに凍える。

「年パスが切れるからUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行こう」と誘われたので行ってきました。
先週までは12月なのに20度近い気温を記録していましたが、行く当日は寒波が襲い、かなり寒い状況でした。
USJは大阪の沿岸部にあります。海に近いため、風も強くかなり寒い。
USJのメインエリアはアメリカのカルフォルニアのような街並みで温かい雰囲気を出していますが、パレードの紙吹雪は強風で舞乱れ、多くのお客さんが頭に着ぐるみのようなものをかぶっていいたりと防寒対策をしていました。着ぐるみのかぶりものはミニオンやスヌーピーなど可愛らしいものがたくさんありました。これを多くの人が恥ずかしげもなくかぶっている様子はある意味異様でした。

「でも暖かそう。」

余談ですが、帰りの電車でもこの着ぐるみをかぶっている人がいました。一体どの段階で脱ぐのか観察していましたが、大阪駅へ到着するアナウンスがあったとたん、急いで脱いでいました。
「大阪駅」という言葉を聞くまで正気に戻っていなかったようです。

USJのアトラクションの多くは1時間以上待ちます。150分待ちといったものも多くあります。
もちろん並ぶのは屋外が多く、風が強い中、長時間立ちっぱなしで待つことになります。
温かい飲み物を買っても、すぐに冷めてしまうようなところで1時間以上並びます。来園者は家族連れが多く、多くの子ども達が寒い中で我慢して待っている様はなんとも言えない思いがこみ上げます。
本当にそこまでして並んでアトラクションを体験する必要があるのだろうか?もう虐待されているようにしかみえない。

私は、一番行きたかったハリーポッターエリアに行きました。
ハリーポッターのエリアは針葉樹林の森を抜けなければ入れないようになっています。この演出がすばらしい。今までいたアメリカンの街並みから、心を落ち着かせて、森の中を歩きます。途中で、あの乗り捨てられたターコイズブルーの車があり興奮します。

この極寒に雪が積もっているように演出されているハリーポッターの街並みはかなりテンションが上がるものでした。
もう、寒いからこそハリーポッターの街並みが活きているといった感じです。
調子に乗ってバタービールを買って飲みました。キャラメル味の泡とよくわからん甘ダルダルの飲み物で胃が持たれました。でも街並みはすばらしい。

お城に向かいました。こちらは150分待ちでした。
お城見学はすぐにいけるということで、そちらを行きました。
お城の中の動く絵画は綺麗で素敵でした。

その他にも魔法の杖を売っていました。木の材質についても書かれていますがすべてプラスチック製です。
ドン引きです。こんなものが5,000円近くするのです。プラスチック製の棒が5,000円です。
さすが商人の国、大阪の魔法の国です。ただし、なんと、このハリーポッターの街のある仕掛けがしてある場所でスタッフの人にサポートされながら杖を振ると不思議なことが起こります。見ていてとっても面白かったです。これは子どもは喜ぶんだろうなと思いました。

今回、友人は夜中にある「天使がくれた奇跡」という野外パフォーマンスと夜のパレードを観たいとのことでした。
そう、この極寒のなか夜中までパークにいなければならないという苦痛。
わたしはハリーポッターのカフェでゆっくりしたら帰りたかった。このカフェがかなり雰囲気が良くて気に入りました。

「天使がくれた奇跡」は昼ごろから敷物をしいて席をとっている人がいるほどの人気!プロジェクションマッピングを活用したダンスなどのパフォーマンスが魅力的とのこと。毎年好評で冬の恒例パフォーマンスであり、今年が最後の年ということです。
開始の45分前には会場周辺に着きましたが、ものすごい人で正面から見ることができない状況。お金を払うと特別閲覧席で見れるようです。
お気づきのことと思いますが、USJは金を持っているものがすべてを制する場所なのです。金を持っていない平民は閲覧席を確保することもままなりません。
結局会場から50m以上は離れた端のほうから見ることになりました。場所が決まったら、その場に座って待たなければなりません。そして、スタッフが周辺の人に案内をしています。

「観覧の際にはお尻を地面につけて座ってください。正座や中腰は後ろのお客様のご迷惑になるのでしないでください。」

言いたいことはわかるから素直に従いますが、極寒です。アスファルトはとっても冷たいです。30分もすればおしりが凍傷になるのではないかと心配になってきます。風も夜になって強くなってきて、ジェットコースターは運休になるほどでした。とにかく寒い。なんでこんな思いをしなければならないのか。もう、何かの災害に耐えているような状況です。席が2つ前の親子はお父さんが怒って家族で帰っていきました。正解だと思いました。こんな寒い中で、子どもたちに閲覧時間を含めると1時間以上も座らせて置くことは虐待をしているようなものだと思います。本当に酷いです。大部分の人からは笑顔が消え、寒さに耐えしのいでいます。

そして、パフォーマンスが始まりました。プロジェクションマッピングは横から見るとよくわからないです。演者を照らすスポットライトはプロジェクションマッピングが消えないように横向きにつけられているので横から見ているため眩しく、演者の踊りもよくわかりません。そして寒いなか顔を上げてみることがとてつもない苦痛です。
本当にしんどく、辛いので、パフォーマンスを見る気になりませんでした。下を向いて寒さに耐え、はやく演目が終わらないかなと我慢していました。友人が言うにはかなりの人がパフォーマンスを見ることなく、下を向いて寒さに耐えていたとのことです。
そりゃそうだろうよ。あんなよくわからない光がチカチカしてるだけどものに何の意味があるというのか。そして話の内容がよくわからない。最後にお話の内容が解決したのかどうか話のオチも今ひとつよくわからないものでした。

パフォーマンスはやっと終わりました。そう、やっと開放されるのです。そう思ったのもつかの間、次は夜のパレードがあります。とにかく暖をとらなければならないのでカフェを探します。どこも人はいっぱいで座る席がありません。外の席は空いていたのでそこでスープとワインを飲みました。寒くてすぐにスープは冷たくなる。ワインで少しあたたかくなりましたが、寒い。多くの人が帰っていきますが、パレードの時間が近づくと、人がまた増えてきます。そして、パレードが始まりました。パレードもプロジェクションマッピングで街並みに映画のモチーフが映し出された演出が素敵でした。パレードは短かったのでそれなりに楽しめました。パレードが終わったらすぐに帰りました。もう、こんなところにいたくありません。本当に酷い寒さでした。
通常の防寒対策では不十分でしょう。子どもたちはスキーウエアで行ったほうがいいのかもしれません。

とにかく寒い。防寒対策が必要です。
そして、ウォーターワールドのアトラクションは前に座ることはおすすめできません。
冬だろうがガチで水をかけてきます。

GORILAX
コラムニスト ふと湧きだす好奇心から、いろんなセカイを巡るのが好き。実際に現地に足を運んで、海外のイベントや食、文化についてのコラムを執筆したり、国内の「面白いもの」について紹介していきます。社会学、文化人類学の視点からもアプローチしていきます。