料理における素材の大切さ

素材もとい食材は調理において欠かせない存在です。
食材がなければ料理が出来ないので当然ですが、かといって素材があれば何事も良いという話でもありません。例えばラタトゥイユというフランスの代表的な郷土料理があります。これは茄子やズッキーニ、ピーマンといった夏野菜をトマトで煮込んだ料理で、言わばごった煮です。ごった煮は様々な素材を煮込む事で活かせるところがメリットですが、何でも入れてよいというわけではありません。ラタトゥイユの場合は味に癖がある魚介類はトマトや野菜の風味と合わないのが実情です。また豆板醤といった辛味がある調味料も少量ならともかく、多く入れてしまうとラタトゥイユではなくなってしまいます。もっと分かりやすい例えを持ち出すなら闇鍋です。闇鍋は暗闇の中で各自が持ってきた素材を鍋に入れますが、悪ふざけが前提になっているので和菓子やジュースなどが入る場合があります。それらが入った鍋がどのような味がするか、それは言うまでもない事です。つまるところ料理は素材を活かさなければなりません。
例を挙げるなら、かまぼこのバター炒めが挙げられます。
この料理はバターを溶かしたフライパンにかまぼこを炒めるだけの一品で、副菜としておすすめです。シンプルゆえに調理しやすい品ですが、マヨネーズや卵を入れて炒めたり等アレンジもできます。しかしマヨネーズにしろ卵にしろ、それらはバターやかまぼこの味をもっと美味しくさせる素材である事が条件です。美味しくさせる効果がなければ、どんなに完璧なレシピや万能調味料でも美味しい品を作り出す事は叶いません。
要するに組み合わせが大事というわけですが、基本的に羽目を外さなければ問題はないはずです。
とはいえ先述したラタトゥイユのように「好きな魚である鯖を入れたら味がおかしくなった」のようなケースも多々あるので予め完成品を想像してアレンジをする等失敗しないための予防が必要になります。