SWEETS ADVENTURE vol.1 Gramercy New York の Gramercy New York

全国の百貨店を中心に店舗展開をしているGramaercy New Yorkというケーキ屋がある。
検索してもお店のサイトには生洋菓子の情報はなく、何が販売されているかについてはよくわからない。
つまりは店舗にいかなければわからないようになっている。
これも一つの戦略なのだろうか。日本人が大好きなケーキ、まず最初に思い浮かべるケーキと言えば、いちごのケーキではないだろうか。
つまり、ショートケーキのことである。ショートケーキは日本で生まれたケーキのため、ニューヨークのスイーツではなないと思う。しかしながら、人気No.1の商品であるからなのかグラマシーニューヨークのショートケーキの名前はGramercy New Yorkである。

上に乗っているイチゴと中にサンドされているイチゴは質が異なるものである。中にサンドされものは柔らかいもの。上に乗っているものはサクサクとした食感のものになっている。こうしたショートケーキに乗っているイチゴは甘いだけでは全体のバランスを壊してしまう、絶妙な酸味が重要になる。2つのイチゴを使い分けてイチゴのフレッシュさと濃厚さの中に酸味の柱をしっかり立てようとしている感じだ。しかし、イチゴの鮮度に関しては疑問点がある。
クリームはあっさり目よりかは濃厚な風味がある。スポンジは多少ぱさついている。「しっとり」といった感じではなかった。ここで言う「しっとり」とは小山ロールのような空気の入りが均質で丁寧に作られたスポンジのことを言う。写真でもわかるように、スポンジの空気穴にばらつきがある。このばらつきが少ないほどより感動を呼ぶスポンジになる。
またクリームの間にイチゴのソースが塗られている。これは今はもう食べることができなくなった御影高杉のショートケーキにも見られる工夫である。これがあることで、イチゴとクリームとスポンジの一体感が生まれている。
渋めの紅茶と合わせるとこの濃厚クリームとフルーティーなイチゴのハーモニーをより引き立ててくれるのではないかと思う。
複数のケーキを買っていく際には、ぜひ、1つ以上は購入したほうがいいだろう。見た目も美しいが、誰でも気に入りやすい味をしている。ある意味単純ではある。
シンプルな作りだからこそ、多くの人に愛されている一品なのかもしれない。

この記事は2019年8月に書かれました。

コラムニスト GORILAX
大学院卒 学術修士。ふと、湧きだす好奇心から、いろんなセカイを巡るのが好き。実際に現地に足を運んで、海外のイベントや食、文化についてのコラムを執筆したり、国内の「面白いもの」について紹介していきます。

GORILAX
コラムニスト ふと湧きだす好奇心から、いろんなセカイを巡るのが好き。実際に現地に足を運んで、海外のイベントや食、文化についてのコラムを執筆したり、国内の「面白いもの」について紹介していきます。社会学、文化人類学の視点からもアプローチしていきます。