【固定電話恐怖症】怖くて電話がとれなかった新卒が半年でコールセンター管理者までなれた「電話応対の考え方」

仕事で電話をとることが苦手という人は多い。
ねとらぼ調査隊「『気持ちはすごくわかる』固定電話に出るのが怖い“固定電話恐怖症”に圧倒的な共感の声(2020/02/05 公開)

ものすごく理解できます!私も新卒で入社した時とても、とても嫌でした。
新入社員研修で電話応対について学びましたし、会社の商品についても学びました。
だから、「新卒社員は会社に掛かってきた電話は誰よりもすぐとって電話応対をしなさいと」指示されました。
新入社員はできる仕事が限られます。その中でできる仕事の1つが電話応対です。会社の仕事内容を学ぶ上でも有効に機能するので、新卒だろうが、転職で入社したであろうが、電話には積極的に出て応対すべきです。

そんなことはわかっていますが、電話に出るのは怖い。取ろうと思うんだけど、身体が動かないし、手が震えるし、併せて声も震える。焦ってうまく言えない。というか何を言えば良いかわからなくなってしまう。
電話応対は恐怖でしかないのです。「未知との遭遇」なのです。そしてどのような対応をすればよいかも良くわかない。様々ことを研修で教えられますが、その知識を当てはめて対応することができない。
だから電話応対ができない。できないことが続くとやりたくなります。苦手意識ができて、「電話応対はやりたくない」→固定電話恐怖症になってしまうのだと思います。

私も電話対応は苦手でした。固定電話恐怖症だったと思います。新卒の同期の中でダントツで出来が悪く、毎日電話をとるのが嫌でした。
だから、電話はあまり取りませんでした。研修期間が終わり、次第に電話は総務部が率先してとるような雰囲気になり電話をとる業務はなくなっていきました。
一安心でした。これで苦手で嫌な業務から開放されます。しかし、その後、新規事業開発部に所属し、新規事業としてコールセンターを立ち上げるメンバーに選抜されてしまいました。

もともと、文章作成は得意だったので、それをかわれてマニュアルの作成を主に担当しました。その後コールセンターを開設した後は管理者として運営に当たりました。
マニュアルを作成するなかで、商品の説明や、案内フローの構造を誰よりも理解できるようになりました。そして、その知識とは別に、コールセンターではどのように電話を受電し、応対しているかということの裏側を知ることができました。このことで明らかになったのは。電話応対のプロとも言えるコールセンターで電話応対をしている人と、社内にかかってくる電話を応対する人とでは圧倒的に電話を受ける環境が異なっているということです。コールセンターは電話を誰でも簡単に受けて応対できる仕掛けが随所にあり環境が整えられています。しかし、通常、社内で電話応対をしている人はそれがありません。

つまり、電話をとる状況下においてすでに、コールセンターと通常の社内で電話対応をする人とでは持てる武器が違っているということです。社内で電話応対をしている人は武器をもたずに丸裸に近い状態で戦いに挑んでいるに等しいのです。そんな状態では固定電話恐怖症になってしまうのはごく自然なことだと思います。そして、新人研修などで学ぶ電話応対の知識は決して、電話応対をするための武器を授けてくれるわけではないということ、むしろ、研修を受けることで膨大な知識に溺れて余計に不安になり、固定電話恐怖症が悪化する可能性もあると思います。

「電話応対のプロ」とコールセンターの人は思われているが

電話応対のプロとも言えるコールセンターの人はなぜ、スラスラと最初の案内を言うことができるかご存知でしょうか。もちろん、ある程度、発話の練習はしています。しかし、圧倒的に違うのは、コールセンターでは、トークスクリプトというカンペを利用していることです。電話をかけている人はなかなか気が付かないと思いますが、基本的に、コールセンターで対応している人は、パソコン画面に自動で出てくる文章や、紙にかかれている文章を読んでいるに過ぎません。そして、あらかじめ決められたトークフローと、お客様の質問に照らし合わせて、一致する案内の文章を読んでいるわけです。つまり、コールセンターの電話対応はコミュニケーション能力によって電話応対をしているのではないということです。論理的に文章を理解して、YESかNOで振り分けたり、複数あるカテゴリの中からお客様の質問と一致するものを照らし合わせて、それに応じた案内文章を読むという作業なのです。これはかなり極端な説明かもしれませんが、実際の運営フローはそのようなものが多いと思います。

電話応対において「コミュニケーション能力は必要である」と思っている人は多いと思います。しかし、いわゆる新入社員が対応するような、一次受付の電話応対においてはコミュニケーション能力のレベルはほぼ関係ありません。もちろん、営業や交渉といったことを電話するのであればコミュニケーション能力は必要になります。ただ、電話は消えてなくなってしまう性質をもつ音声でしかコミュニケーションをとることができません。そのため、営業や交渉をする方法としてはあまり適さないので、そういった際の電話応対スキルを向上することにあまり注力をしなくてもいいのかもしれません。

コミュ障でも電話応対はできる!

電話応対が苦手であるという人は多いと思います。その理由として自分はコミュニケーション能力が低い、対人スキルが低いから苦手だと思っている人は多いのではないかと思います。
しかし、それは間違いで、電話応対でいちばん重要なことは、論理的に正確に相手の言っていることを理解する能力です。この「論理的に理解する能力」が低い一方で、「コミュニケーション能力に自信がある」という人は逆に、本来クレームになるような案件でないものさえも途中でお客様を怒らせてしまいクレーム案件になってしまうということがよくあります。
なぜならばお客様が求めている答えを導き出すことができなかったり、そのできない理由を「自分のウリであるコミュニケーション能力」でなんとか切り抜けようとするからです。
お客様は質問に対しての「答え」を求めているのあって、応対者のコミュニケーション能力に伴う「お話」を求めているわけではありません。

電話応対の研修では「話し方」についてよく学ぶかと思います。どのような声でどのようなスピードで発音すればよいか、言葉遣いはどうすればいいか、敬語を正しく使うようにするといったことです。
しかし、これらの知識や技術を磨いたところで、固定電話恐怖症を克服することはできないと思います。私がそうであったのでよくわかります。

大切なのは、電話応対は「感情」で行うのではなく「理論」で行うということです。

将来的にコールセンターの業務はAIが担うと言われています。それはまさに、コールセンターの電話応対は「感情」でするものではなく「理論」に基づいて行うものであるからです。そして、そこに固定電話恐怖症を克服する鍵が隠されています。

「感情」じゃないんだ「機械的」に、「論理的」に対応することが需要

一次受付の電話応対において、慣れないうちは「感情」重視で応対することをやめて、「機械的」に、「論理的」に応対すればよいということです。
受話器の向こうの人が知り合いだろうが、知らない人であろうが誰であっても関係ないのです。その人が何を言っているのかを論理的に理解し、YESかNOで答えればよいだけです。

電話応対で「NOということを言ってはいけない」と学ぶかもしれません。
ここでのNOとは、「自分はわからない」「自分では案内できない」という意味でのNOです。
お客様の要望に「会社としてできない」という意味でのNOではありません。
そもそも決済権を持っているわけではない身分のものが要望に対して自分で考えて決断して「できない」と言うことはできません。もちろん、マニュアル等で「できない」と案内してよいと決められているものは「できない」と案内してよいです。そういった意味で電話応対で深く考えることは一切ないのです。

電話応対は3つのタイプに振り分ければいいだけ

一次受付の電話応対においてここが最も肝心です。「自分でわかること」、つまりマニュアルに書かれていることについては案内する。
そして、それ以外のことについては即座に担当の人へ振るという決断をすることです。
「自分でわかること」の範疇にあることですぐに正確な案内ができない場合があります。その際は、「確認して折返し電話をする」という案内になります。
とにかくちょっと考えて「わかんないや」と思ったらすぐに諦めること。自分で案内することを諦めて分かる人に振れば良いと考えてください。
これは「すぐに諦めて業務怠慢である」というわけでもないし、真面目に電話応対に打ち込んでいないというわけでもありません。大切なお客様の時間をいかに消費せずに対応するか、そのためには即断即決が重要になります。

つまり、一次受付の電話応対は論理的に考えれば機械的に対応できるものです。

下記の3タイプにお客様の質問を選別します。
A「自分がわかることなので応対する」
B「自分にはわからないことで担当の人に振る」
C「自分がわかることで、確認が必要ですぐ答えられないので折返し電話を案内する」

お客様の質問が上記の3つの中のどれに当てはまるかを論理的に判断します。

そこに感情を入れて、「できるだけ早く答えてあげたい」という気持ちで対応してはいけません。

何度もいいますが、お客様が求めていることは「答え」であってあなたの「お話」ではないということです。
瞬時に考えてわからないものはすぐに、他のわかる人に振ってしまえばいいのです。それが一番お客様の満足に繋がります。
お客様へ誠意を伝えるとは「応対者の素晴らしいトーク」を伝えることではありません。「適切な答え」を伝えることです。

最初は電話に出るのが怖いと思います。しかし、気持ちを無にして、ただ、黙々とお客様の質問を機械的に、論理的に聞き取り、正確に上記の3つ中のどの案内が適切であるかを峻別して、お客様へ案内するだけで良いのです。

ひとりじゃないよ、オウム返しをしていれば

担当の人に振る案件である際によりスムーズに行うテクニックがあります。それは、電話応対時にお客様が言っていることを逐一オウム返しをしていくことです。


お客様「もしもし、Aの商品を購入したら不良品だったんだけど」
応対者「Aの商品が不良品であったとのことですね・・・」
〜話はつづく〜

このように、相槌をしながらお客様の話を聞くことができるものであっても逐一オウム返しをしていきます。
なぜ、オウム返しをするのかというと、自分だけではなく、オフィスの周辺に座って聞き耳をたてている人にも理解できるようになるからです。オウム返しをしながら対応することで周辺にいる人の協力を仰ぎながら対応できます。

周辺で仕事をしている経験者は新入社員や、まだ部署での仕事に慣れていない人の電話応対について気にかけています。そのため、電話応対にも聞き耳をたててくれる人が多いです。
そうした際に、逐一オウム返しをして対応することで、お客様が何を言っているかを周辺の人は知ることができます。そうすることで、案内方法をメモや、ささやき声で指示してもらうことができます。
オウム返しを逐一することで、周りの人と一緒に電話応対をしている状態になります。
電話対応は一人で孤独にするものであると思っているかもしれませんが、ちょっと話し方を工夫するだけで周りの人を巻き込んで対応することができます。そうすることで、対応の際に助け受けやすくなります。

電話応対は機械的に論理的に、周りを巻き込んで対応する。
このように応対すれば、お客様の求める答えを適切に案内できるようになります。また、自分だけで解決をしなければならないものではないので、恐怖心は徐々に和らいでいくと思います。

 

最後に電話応対を成功に導く秘密の言葉

この他にも、電話応対において、様々なテクニックや考え方があるのですが、最後に電話応対を成功に導く秘密の言葉をお伝えしたいと思います。
それは、「お電話ありがとうございます。〇〇株式会社の〇〇でございます。」と最初に言うことです。

なぜ、この言葉を最初に言うのか。それにはマナーとは別の理由があります。
電話がかかってきた際は、すぐに電話にでると思います。つまり、電話応対をする気持ちを整えることなく電話に出ることになります。
気持ちが整わないので、最初の話だしがうまくできないということが往々にしてあります。
受話器をとったらまず最初にゆっくり「お電話ありがとうございます」と言う癖をつけてみてください。
無意識に電話をとったら言うことができるようになってください。
そして、その「お電話ありがとうございます」と言っている間に気持ちを整えて、メモなどを準備してみてください。

だいたい、7秒か8秒ぐらい、ゆっくりおちついて「お電話ありがとうございます。〇〇株式会社の〇〇でございます。」と言ってください。これはとても大切なことです。
理由として、実は、電話をしているお客様は電話が繋がった瞬間の言葉をうまく聞き取ることがほぼできません。
「おでんわ」の最初の言葉を特にゆっくりめに言い始めることでまず、お客様も聞く準備を整えることができます。そして、その後に会社名と応対者の名前を聞くことができます。いきなり早口で会社名を言ってしまうとお客様は聞き取ることができません。ゆっくりかもしれないぐらいのスピードで言う方が良いです。またその方が丁寧に対応しているようにも聞こえます。

自分が電話応対の心の準備と対応準備を整えるため、そしてお客様が電話を聞き取るためのと準備をするための時間として「お電話ありがとうございます。〇〇株式会社の〇〇でございます。」と言うことをまず身につけて見てください。
これがうまく言えるようになると電話応対は落ち着いてできてくるようになります。これが固定電話恐怖症を克服する上でもかなり重要になってくるのはまちがいありません。

今回取り上げたことは電話応対の研修でよく言われている内容とはかなりかけ離れたものであると思います。そもそも、電話応対における考え方をいうことはあまり研修で学ぶものとして挙がってきていないのかもしれません。しかしながら、私はこの電話応対における「考え方」を深く理解して、知識やテクニックを結びつけていかないからこそ、電話応対を苦手であると感じる人が多いのではないかと思います。
固定電話恐怖症というのはなかなか克服が困難であると思います。しかしオフィスワークをしていく上で克服するとそれだけで社内の評価があがること間違いなしで社員を始め、取引先との関係づくりをする上でも大切なことだと思います。
この記事を読んで、一人でも固定電話恐怖症を克服してくれる人がいればいいなと思います。

 

 

コラムニスト GORILAX
大学院卒 学術修士。ふと、湧きだす好奇心から、いろんなセカイを巡るのが好き。実際に現地に足を運んで、海外のイベントや食、文化についてのコラムを執筆したり、国内の「面白いもの」について紹介していきます。

 

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