【消費者意識調査】消費活性化策「マイナポイント事業」の期待度は50.2%

マイナンバーカードとの紐づけに対し、
セキュリティへの不安を理由に反対の声

マイナポイントは電子マネーやクレジットカード、デビットカードなどによってキャッシュレス決済を利用した消費者に対して国から付与されるポイントのこと。申請にはマイナンバーカードとマイキーID(*)が必要です。 還元率はチャージまたは決済によって25%、上限5,000円分のマイナポイントが支給されることが決まっており、2020年9月から2021年3月末まで期間限定の施策となります。

(*)マイキーID とは マイナンバーカードのICチップの中に搭載されている電子証明書を活用して、ウェブ上に作成するIDのことです。マイナポイントを付与されるために、本人を認証するキーとなります。

2020年9月から総務省主導のもと、消費活性化とマイナンバーカードの普及、キャッシュレス決済基盤の構築を目的とした「マイナポイント事業」が開始されます。(総務省マイナポイント事業より)

同事業を利用するにあたってマイナンバーカードを使った事前予約と申込が必要ですが、マイナンバーカードの交付率は全国で16.8%という状況です。(令和2年6月1日現在)
お金の情報サイト「まねーぶ」では、全国消費者1,000人に「マイナポイント事業」の利用意識や期待度を調査。また昨年10月の消費税率引上げに伴う需要平準化対策として実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」との比較と共に浮き彫りになった課題について、マイナポイント広報委員会の検討委員である株式会社エムズコミュニケイト代表取締役社長 岡田祐子氏に解説していただきました。

■調査回答者の属性(n=1,000)
性別:男性35.8%/女性64.2%
年代:20代16.1%/30代36.5%/40代31.6%/50代13.0%/60代2.8%
婚姻:未婚48.1%/既婚51.9%
職業:正社員34.0%/契約社員・嘱託社員2.5%/派遣社員4.9%/パート・アルバイト15.1%/フリーランス・業務委託3.5%/自営業・自由業7.4%/専業主婦(主夫)23.9%/学生0.7%/無職8.0%
年収:100万円未満37.2%/100万円以上~150万円未満10.2%/150万円以上~300万円未満20.3%/300万円以上~500万円未満19.0%/500万円以上~700万円未満8.4%/700万円以上~1,000万円未満2.8%/1,000万円以上2.1%


■調査サマリー
8割以上がマイナポイント事業を「知っている」、4人に1人が「内容まで理解している」
およそ6割がマイナポイントを「利用したい」、理由は「ポイント還元が魅力的だから」
6割がマイナンバーカードの紐づけに「反対」、「セキュリティ(個人情報の漏えい)に不安」の声
マイナポイント事業の期待度は5割、「還元率」が評価される一方で「申込方法」に懸念
キャッシュレス・ポイント還元事業と比較した期待度では、マイナポイント事業がやや劣位

本調査集計結果は以下から閲覧できます。
URL:https://www.money-book.jp/mynumberpoint_research

調査1:マイナポイント事業の認知度
8割以上がマイナポイント事業を「知っている」、4人に1人が「内容まで理解している」

全国消費者1,000人にマイナポイント事業の認知度について調査したところ、「聞いたことがある程度」が59.3%と最も多く、「内容を理解している」24.9%と合わせて8割以上が同事業を知っており、また全体の4人に1人が事業内容まで理解しているという結果でした。

▼エムズコミュニケイト 岡田 祐子氏の考察
マイナポイント事業はマイナンバーカードの普及のために国が行う施策ですが、一人当たり上限5,000円相当のポイント付与の予算を組むという、今までになく、また今後もないであろう国策となっています。7月からマイナポイントの広報活動が本格化しますが、マイナンバーカードを持っていないと利用手続きができないので、まだ持っていない人はマイナンバーカードの申請手続きを急いで行って頂けたらと思います。

調査2:マイナポイントの利用意思
およそ6割がマイナポイントを「利用したい」、理由は「ポイント還元が魅力的だから」

マイナポイントの利用意思について、「利用したい」26.3%、「やや利用したい」32.7%を合わせて、およそ6割が利用意思ありという結果でした。
利用したい理由として、「ポイント還元が魅力的だから」が523人と最も多く、次いで「キャッシュレスをよく利用するから」が330人と続き、お得感や節約意識に加えてキャッシュレス化が普及している傾向が読み取れます。
一方で、利用意思のない4割の理由として、「セキュリティ(個人情報含む)が不安だから」が242人と最も多く、次いで「マイナンバーカードを持っていないから」221人、「手続きが複雑・面倒だから」217人と続き、同事業の還元率に魅力を感じる人が多い中、セキュリティに対する不安感や、マイナンバーカードの取得と申込手続きの煩雑さが、利用に二の足を踏む要因になっているようです。

▼エムズコミュニケイト 岡田 祐子氏の考察
マイナンバーカードが出始めた頃、マイナンバーカードを落としたら不安などと取得に対するネガティブな反応が高まりましたが、今回のマイナポイントの利用はマイナンバーカードを持ち歩く必要はありません。今後、マイナンバーカードが健康保険証として使えるなど活用シーンも多くなるので、まだマイナンバーカードを取得していない人は風評に流されず、セキュリティについて慎重になるべきなのか今一度確認してみてはいかがでしょうか。

調査3:マイナポイント利用にマイナンバーカードを紐付けることについて
6割がマイナンバーカードの紐づけに「反対」、「セキュリティ(個人情報の漏えい)に不安」の声

マイナポイント利用に際してマイナンバーカードを紐付けることの賛否ついて、「賛成」は38.6%であり、残り6割以上が「反対」という意見でした。
賛成派の理由として「(マイナンバーカードの)普及・活性化に繋がる」が344人と多い一方で、反対派の理由では「セキュリティ(個人情報漏えい)に不安」が558人と突出し、次いで「購買データの個人追跡に不安」242人、「強引な普及・活性化策である」196人と続く内容でした。買い物という日常的で身近な行動に、個人番号が紐づけられることに対して不安や嫌悪感がある人が多いようです。

▼エムズコミュニケイト 岡田 祐子氏の考察
マイナンバー制度に関するセキュリティについては、本人確認や個人情報保護委員会による監視など制度面における保護措置に加えて、個人情報の分散管理や情報連携にマイナンバーそのものを利用しないなど、システム面における保護措置を設けています。今後、運転免許証などの代わりに身分証明書として使用できたり健康保険証として活用できたりするなど、国や自治体の各種手続きの中核となりますので、単なる嫌悪感や風評による不安で判断せず、本当にセキュリティに問題があるのか、今一度自分自身でよく確認すべきかと思います。

調査4:マイナポイント事業の期待度
マイナポイント事業の期待度は5割、「還元率」が評価される一方で「申込方法」に懸念

マイナポイント事業の期待度について、「期待している」9.5%、「やや期待している」40.7%を合わせて50.2%と全体の半数が期待しているという結果でした。
期待度の内訳として、「還元率(25%、上限5,000円)」に対する期待度は平均5.8、「実施期間(2020年9月~2021年3月)」に対する期待度は平均4.6、「申込方法(予約手順・要マイナンバーカード)」に対する期待度は平均4.4(※いずれも10段階評価、10期待できる⇔1期待できない)となり、還元率は評価が高いものの、調査2・3の結果にも表れている通り、要マイナンバーカードのハードルがある申込方法への懸念があるようです。

▼エムズコミュニケイト 岡田 祐子氏の考察
純粋に半数の方が期待している施策である結果となっていることについては、最大25%という驚くべき還元率の高さが大きいと思います。7月からマイナポイントの政府による広報活動が本格化するため、ネットやリアルでいろいろと分かりやすい手続きの説明を目にすることが多くなると思いますし、マイナポイント付与期間も半年間と長いため、実際にマイナポイントを取得する人も最終的に半数以上に及ぶと思います。(注:付与されたマイナポイントの使用期間は、紐づけした決済サービス会社のポイント有効期限に準じます)

調査5:「キャッシュレス・ポイント還元事業」と比較した期待度
キャッシュレス・ポイント還元事業と比較した期待度では、マイナポイント事業がやや劣位

昨年10月の消費税率引上げに伴う需要平準化対策として実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」(6月末終了)とマイナポイント事業を比較した期待度について、「還元率」に対する期待度は平均4.0、「実施期間」に対する期待度は平均4.2、「申込方法」に対する期待度は平均2.9(※いずれも10段階評価、10マイナポイント事業を評価⇔1キャッシュレス還元事業を評価)となり、いずれの項目においてもマイナポイント事業がやや劣位である結果となりました。とりわけ「申込方法」におけるマイナポイント事業の評価はとても低く、本事業の課題がここに集中していることが一貫してみてとれます。

▼エムズコミュニケイト 岡田 祐子氏の考察
セキュリティ面の不安と手続きが面倒な印象から、「キャッシュレス還元事業」に比べて期待度は劣勢の結果となっています。
しかし、セキュリティ面についてもマイナポイント使用時にマイナンバーカードを持ち歩く必要はなく、マイナンバーカードの普及促進するために、今回のような大きな予算を組んだポイント付与施策は考え難いため、今回の機会を逃さず手続きすることを強くお勧めします。

■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年6月10日~2020年6月15日
調査対象:全国20代~60代男女1,000人
調査監修:株式会社エムズコミュニケイト代表取締役社長 岡田祐子

株式会社GV( https://www.money-book.jp/company/ )

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