テレワークの拡充で変化していくワークスタイル
2019年、「働き方改革」なる法案がにわかに施行されましたが、その対応に戸惑いを隠せなかった企業も多かったのではないでしょうか。しかし、2020年、日本だけでなく世界が新型コロナウイルスのパンデミックに襲われ、人との距離感、密からの逃避など、働き方を変えざるを得なくなりました。厚生労働省が2019年に発表した定義は「働き方改革とは、働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革」とされています。これを読んでも具体性に欠け、いったい何が「働き方改革」なのか?と「?」がいっぱいつきそうです。
私は、この方針を聞いたとき、日本の企業体質では実現できるわけがないと思いました。会社に集まりオフィスで仕事をするのが当たり前、上司のそばに常に部下がいることが当たり前、何かを決めるときはメールでも電話でもなく全員集合!
しかし、新ウイルスが迫ってくる中、私たちは思い出したのです。政府が言い出した実現不可能な「働き方改革」を。
この改革の実現はコロナの産物としか言いようがありません。
コロナによって多くのオフィスが一時は閉鎖され、首都圏への往来もできなくなり、「これではビジネスが成り立たない」と慌てた企業が、こぞってテレワークの整備へと乗り出しました。幸いにも主要都市ではWiFi環境はそれなりに整っていました。まもなく「5G」も普及することでしょう。職場に出向かずとも仕事ができる環境は元々あったのです。あとは企業がどれだけ柔軟に対応できるかだけ。
本来、「働き方改革」には、長時間労働の解消、非正社員と正社員の格差是正、高齢者の就労促進という課題をクリアしていくことが大きな目的でもありましたが、それは、それ。ウイルスによって変えられた新しい働き方こそ、今の「働き方改革」なのです。
しかし、テレワークが拡大整備され、さまざまなことが露呈してきました。無駄な会議、無駄な残業、さらには無駄な経費もわかってきたのではないでしょうか?コロナが生み出した働き方改革は、企業にとって必要なものと不必要なものを選別する効果にも一役買ったのかもしれません。
在宅勤務制度を新設する企業も増加しているようです。今後は、育児をしながら自宅でバリバリ仕事をする女性、障害を抱え通勤がままならない人もどんどん仕事ができる時代になりそうです。なってほしいです。
最近では、テレワークを活用して「田舎で仕事をしよう」という動きに加速がかかり始めています。「ワーケーション」なる私にとっては意味不明な働き方さえ政府が推奨しています。
サテライトオフィス誘致にオーダーメイド型の視察ツアー
「地方へオフィス・店を構えたい」という需要に合わせ、長野県中野市では「オーダーメイド型民間企業現地視察ツアー」を企画しています。
サテライトオフィス以外にも、空き家や空き店舗を活用した事業を考えている個人事業主も視野に、それぞれの希望に応じたツアー内容になりそうです。長野県中野市は、農業が盛んで、果樹園、田園風景が広がっている「田舎な地域」と生活用品を購入できるお店が立ち並ぶ「市街地」と自然に囲まれながらも住みやすい「ちょうどいい田舎」です。
また、東京から約2時間で訪れることができ、スキー場やゴルフ場、『志賀高原』『野沢温泉』などの有名な観光地へのアクセスもよい場所。
「都会の喧騒を離れ、落ち着いた場所で仕事がしたい」「田舎で地産地消のお店を経営したい」などのニーズに対応した環境がそろっています。市職員がコンシェルジュとなり、ツアーを対応。申し込みは、電話または電子メールで行い、ツアー前の顔合わせはテレビ電話で行います。新型コロナウイルス感染症対策として、健康状態の確認やマスク着用などの対応の説明をしつつ、充実したツアー行程を組んでいくそうです。
長野県中野市「空き家を活用したサテライトオフィス誘致プロジェクトチーム」の問合せ
都市計画課建築住宅係
TEL:0269-22-2111(内線358)
E-Mail:kenchiku@city.nakano.nagano.jp
自由なスタイルで働くこと。自由という言葉は、素敵な響きではありますが目的や目標を達成するために自分なりのやり方を駆使しながら取り組むことが自由なワークスタイルであり、決して自分勝手に振る舞うことではありません。コロナがもたらした新しい働き方は、個人の能力を問うものでもあります。そのためにも個々が、これまで以上に努力し、自分の能力を高めていかなければなりません。今後は、一人ひとりの突出した優秀な能力が注目され、必要とされる時代になってくるのではないでしょうか。