7月末で今利用しているジムを退会した。値段は1ヶ月5,000円ぐらいのため安い部類のジムではあるが、いかんせん施設が汚い。というか不潔でシャワールームをはじめ掃除がいき届いていないジムだった。設備メンテナンスという面でかなり問題ありなのではと思っていたが、広い駐車場と格安の利用料が私には魅力的でズルズルと5年近くは利用していたのではないかと思う。
しかし、新型コロナウィルスの件が騒がれ始めた2月ごろからジムには一切行かなくなっていた。ずっと休会をしていたが、もったいないので、退会することにした。退会の旨をジム側へ伝えると、なんと、休会状態から退会することができないルールらしい。なんてセコいんだと思ったが、早く縁を切りたかったので了承。そして7月末で退会のため7月中はジムを利用することができた。このジムは体組成を図って分析したものを紙に印刷してくれるサービスがある。しかも100円である。安い。そこで、退会前に今までの集大成として体組成を測りに行くことにした。
ジムの中に入るとランニングマシンのところに透明のカーテンが天井から吊るされていた。木の角材とテグスと透明シートで作られた透明シートはすべてのランニングマシンの両サイドに設置されていた。
DIYで作ったのか業者に頼んで作ったのかはよくわからない。ただ、ものすごく脆そうな作りで、透明カーテンを消毒して雑巾で拭こうものならば糸が切れてすぐ壊れてしまうのではないかというような作りだった。
これ、どうやって掃除しているんだろうと疑問に思った。太陽の光が反射するとシートの汚れが見える。どうやらかなり汚れているようだ。汗なのかなんなのかはわからないが、掃除していないようであるということはひと目でわかった。そもそも、1月の中頃は、スタッフがジム用具に消毒をして、きれい拭いている姿が散見された。しかし、7月に久しぶりに来てみると、誰も掃除をしている人がいなかった。各自で拭くことができるように除菌シートのようなものがあるが、スタッフが汚れた器具や透明カーテンを掃除しているところはみられなかった。コロナ以前の状態になっていた。つまり掃除をしない不潔なジムそのものだった。
驚きなのは利用者のうちマスクをしている人は3割程度。スタジオでかなり激しく密なエクササイズをしている人たちはマスクをしている人はだれもいなかった。
不潔な環境について疑問を持たない、コロナ感染についてリスクを考えない人がそもそもここのジムを利用しているのかもしれない。かなりニッチな部類になるかもしれないが、こうした意識の人は少なからずいる。そうした人たちが利用するジムだから、丁寧に掃除をする必要はない。もちろんマスクをつけるというルールも存在しない。とても怖いと思った。安さに惹かれてとんでもないジムにずっといたのかもしれないと思った。安さだけで選んだ自分の選択はとても恥ずかしいことなのかもしれないなと思った。
それにしても汚れた透明のカーテンはかなり見た目が不潔だ。あんなものに囲まれてよく走ることができるなと不思議に思った。逆に菌を媒介する原因になるのではないかと勘ぐってしまう。調べてみると6月の初旬に設置したようだ。設置後に清掃メンテナンスをしているかどうかは私には、わからない。しかし、実際に施設は目視できるほど、ほぼすべての透明カーテンは汚れていた。
こうした、とりあえず社会の目があるので社会の要望通り設置したが、その後、清掃やメンテナンスを怠った結果、以前よりも悪い状態になりました、みたいなことは今回のコロナショック以外でも見られることなのかもしれない。持続可能な施策を打ち出せていない典型なのかもしれない。どのような設備が効果的なのか。管理メンテナンスする視点に立った場合、継続的に行うことができるのか、について考慮した上で方法を吟味すべきなのではないか。初期コストが安いからという点で決めてしまった結果、とんでもないリスクを背負い、後に多大なコストを払うことになることはよくある話だなと感じる。