【MUSIC COLUMN】40年の時を超えて伝説のスター 山口百恵のラストコンサートが大反響を呼んだ2021年のはじまり

「かっけえな!」凛とした彼女の姿は
人生の夢先案内人にふさわしい

先日(2021年1月30日)地上波NHK総合で『伝説のコンサート山口百恵1980.10.5武道館』が放送され、大きな反響を呼び、「#山口百恵」がTwitterでその日の世界トレンド1位になるなど、いまだに人気を維持していることを実証した。
この番組は昨年10月にNHKBSプレミアムで放送され、再放送の希望が殺到して実現したものとか。夕方からの放送だったのだが、平均視聴率は8.6%。最高瞬間視聴率は山口百恵がマイクを置き、ステージを去る午後5時55分の13%ということ。SNSでは「21歳とは思えない迫力」「今更ながら山口百恵の存在感に圧倒された」など、絶賛の声が巻き起こった。(視聴率:関東地区ビデオリサーチ調べ)

百恵ファンとして
私も山口百恵ファンの一人である。もちろん1980年の引退コンサートもリアルタイムで視聴している。当時はTBS系列で生中継され、平均視聴率は27.1%と聞く。
私が彼女を知ったのは小学校の3年生くらいではなかったかと思う。当時、70年代前半の山口百恵は歌手というよりも女優の印象だった。「赤いシリーズ」と呼ばれる大映ドラマで主役を務め、なかでも白血病と闘う少女を描いた「赤い疑惑」は最高視聴率30.9%を誇る。放送されたのは毎週金曜日の午後9時、小学生の私は毎日9時が寝る時間だったが、百恵ちゃんのドラマがある金曜日だけは10時の就寝を許された。なぜなら家族みんながそのドラマに夢中だったからである。

妹役なら良いけれど歌手は諦めた方が良い
山口百恵がデビューしたのは1972年オーデション番組『スター誕生』で準優勝をしたのがきっかけ。しかし、当時の番組審査員の阿久悠氏から「あなたは青春ドラマの妹役なら良いけれど歌手は諦めた方が良い」とアドバイスを受ける。以来、阿久悠が彼女の楽曲に携わることはなかったとのことだが、デビュー曲は思いのほかヒットせず、2曲目「青い果実」で「あなたが望むなら私何をされてもいいわ」というきわどい歌詞を織り込み、明るく健全なアイドル路線とは違う方向でアプローチし、スマッシュヒットとなった。1974年の夏には「ひと夏の経験」が大ヒットとなり、ついに歌手としての地位をつかみ、紅白歌合戦に初出場を果たした。

歌手としての転機「横須賀ストーリー」
その後、ドラマでも人気を博し、映画にも次々に出演。1976年には、歌手山口百恵の転機とも呼べる楽曲「横須賀ストーリー」が発売される。
早熟な少女路線を求められることにたいして違和感を持っていた百恵が、作詞阿木燿子、作曲宇崎竜童というコンビを指名して新しい世界観を切り開こうとしたという。ここからは強く凛とした女のイメージで彼女の歌の世界はどんどんと進化し、「プレイバックPart2」「絶体絶命」「ロックンロール・ウィドウ」などなど、一連の大ヒット曲が続々生まれていったのである。

「百恵 かっけえな」
引退して41年の歳月が経つにもかかわらず、世の中は山口百恵を求め、受け入れようとするニーズがある。私の横で引退コンサートで歌う彼女を観ていた30代が「百恵 かっけえな」とつぶやいた。驚いた私が、どんなとこが?と尋ねると、「なんか表現力がすげぇ」と一言。
今のコロナ禍では、エンターテイメントのエネルギーを多くの人々が欲している。私もステイホーム、テレワークという家で時間を過ごす中で音楽がどれほど支えになっているか計り知れない。やさしく、力強く包み込まれるような山口百恵の歌声はその代表格であろう。引退コンサートが高視聴率となったのもうなずける。

色褪せない山口百恵の存在

何年経っても色褪せない「歌」がある。それと同じで「山口百恵」という存在そのものも色褪せることがない。そして「いい日旅立ち」「秋桜」などのバラードでも名曲を残し、ずっと歌い継がれている。
「歌姫」などという陳腐な言葉では収まることのない歌手山口百恵は、「カリスマ」であり偉大なスターだったのであろう。
シングルでは31曲を出し、総売り上げは1630万枚。LPは45作品で434万枚。昨年解禁したサブスクでも山口百恵の楽曲やアルバムは常に上位となっている。Apple Music、Spotify、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、Google Play Music、AWA、その他主要ストリーミングサービスで配信中だ。山口百恵の魅力をさまざまな楽曲から感じ取ってほしい。
ちなみに私のおすすめは、アルバム「This is my trial」に収録される井上陽水が提供した「Crazy Love」。井上自身も「クレイジーラブ」としてセルフカバーしている。そして「神様のおぼし召し」である。彼女の表現力の幅広さに驚かされるはずだ。

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JIMMY
人生の移ろいを感じながら、風のように生き、雨のように歌い、太陽のように人を照らしたい。