「木は木で締める」――釘を使わない幻の職人技と、経年変化を楽しむ真鍮の輝き
東京で生まれ、ニューヨーク・ミッドタウンに旗艦店を構えるラグジュアリー家具ブランド「AREA(エリア)」。 熟練の職人技と、ヘッドデザイナー・野田豪氏の研ぎ澄まされた感性が融合したその作品群は、世界中の愛好家を魅了し続けています。そんなAREAが、日本の伝統素材「桐(キリ)」に焦点を当てた新作チェスト『KIRIDANSU(キリダンス)』を発表しました。
これは単なる収納家具ではありません。 親から子へ、そしてその先の子孫へ。世代を超えて「記憶」を受け継ぐための、タイムカプセルのような存在です。
記憶の香りを、引き出しに閉じ込めて
「母から譲り受けた箪笥を開けた瞬間、微かに漂う樟脳(しょうのう)の香り。それを嗅ぐたびに、愛された記憶が鮮明に蘇る――」
デザイナーの野田氏は、かつて日本に根付いていた「家具を継承する文化」を、現代のライフスタイルに合わせて再構築したいと考えました。目まぐるしく消費される時代だからこそ、変わらない愛情を詰め込める場所が必要なのではないか。そんな想いが、このチェストには込められています。

「呼吸する」気密性。九州・大川の指物師が魅せる奇跡
『KIRIDANSU』の製作を担うのは、家具の聖地・九州大川でも、往年の技術を今に伝える希少な工房です。
熟練の指物師(さしものし)たちがこだわるのは、徹底した「気密性」。 引き出しをひとつ閉めると、行き場を失った空気が他の引き出しをスッと押し出す――。この現象こそが、外気を遮断し、内部の環境を完璧に守っている証拠です。
「木は木で締める」 彼らは釘やネジといった金物を極力使いません。金属と木の収縮率の違いが、長い歳月の中で微細な亀裂を生むことを知っているからです。桐の無垢材を精巧に組み上げることで、火事の際には表面が炭化して内部を守り、湿気が多い日には木が膨らんで隙間を塞ぐ。 古代より「鳳凰の止まり木」とされ、大切なものを守り抜くと言われた桐の特性を、職人の手技が極限まで引き出しています。


経年変化(エイジング)という、美しき景色
デザインにおいては、伝統的な和箪笥の意匠を踏襲するのではなく、現代の住空間に馴染むモダンなアプローチが取られました。
直線的でミニマルなシルエットの中に、温かみを感じさせる「丸み」を細部にプラス。そして、取手にはあえて無垢の真鍮(しんちゅう)を採用しています。 触れる部分は磨かれて黄金色に輝き、触れない部分は深く燻(いぶ)され、やがて緑青(ろくしょう)を帯びていく。
桐の木肌の色合いが深まるとともに、真鍮の金具もまた、家族の歴史を刻んでいく。その変化していく景色そのものを楽しむことこそ、この家具を持つ最大の贅沢と言えるでしょう。
万が一破損しても、直せない箇所はひとつもない。 そう断言できる職人の矜持が詰まった『KIRIDANSU』。あなたの大切な記憶を託すにふさわしい、一生もののパートナーです。
《KIRIDANSU(キリダンス)》
https://www.area-interior.jp/blogs/news/new_kiridansu








