素材の味を生かした調理方法とは

テレビ番組の食レポやグルメ雑誌などを見ていると、料理の味を表現する際に素材の味を生かすという表現が使われていることが多く見られます。
一般的な素人のレベルでシンプルに考えると、野菜や魚が持っている本来の良さを調理方法により引き出すということと言えるでしょう。
しかしどのような料理が素材を生かしていることになるのかは実はわかっていない人が多いといえます。

そもそも生野菜はそのまま食べることができますが、
生野菜をそのままかじることは素材を生かしているとは言えないでしょう。

深く考えてみると、どんなものであっても素材の味を生かせるポイントがあるといえるでしょう。
例えば、白菜の甘みを引き立たせたいと思った場合には塩もみをすることが重要です。塩もみをして白菜の中に含まれている水気を抜くことにより、甘みだけが残ります。白菜を何かの料理に用いる際にも、一度塩もみをして温めた白菜を最後に加えることで、白菜の甘みが引き立つだけではなく、しゃきしゃきとした食感や色もきれいに残ります。白菜から余分な水分が出ることもないので味は薄まりません。
このように素材の味を生かせるポイントがあることがわかります。

味の特徴は一つではありません。

野菜によっては苦みの奥に甘みがあるなど、様々な味の要素があります。
マイナスの部分を消してよいところだけを際立たせるような調理方法も、素材を生かしているといえます。
例えば大根は生で食べると辛いけれども、煮ると辛くはなくなります。えぐみが強い食材や味の強いものに関しては、油を使うことにより舌にかかる負担を減少させることができます。

しかし基本的に素材を生かすためには油をあまり使いません。

油は食材の表面に付着しているため、口の中に入れたときに最初に舌に届くことになります。舌が油でコーティングされることになり、あまり味を感じられなくなってしまいます。
そのため油を使わない素焼きや炭火焼きなどの調理方法は、素材の味を生かすニュアンスがあっているといえるでしょう。