ロマンスの神様!SNS上の「I LOVE YOU」を信じてもいいですか?国際ロマンス詐欺その手口

最近、話題となっている『国際ロマンス詐欺』ですが、このネーミングって、きれいすぎてなんだか全然悪党っぽくないですよね。簡単に言えば、”SNS結婚詐欺”だと思うのですが….。

先日はナイジェリア人とフィリピン人の二人組が米軍人になりすまし、SNSでつながった50代の会社員役員の女性から「ダイヤモンドを国際輸送するための通関税が必要だ」などと何度も連絡して、送金をさせ、合計645万円をだまし取った容疑で逮捕されました。彼らの口座には日本人と見られる複数の女性から1000万円以上の入金が確認されたとのこと。警察では組織的な犯罪ではないかと睨んでいるようです。この事件の他にも同じような手口のロマンス詐欺が発生し、毎日のようにニュースを賑わせています。
「私は大丈夫!」が危険の入り口。SNSを巧妙に使ったロマンス詐欺の手口
「この人たちはなんで騙されるの?私は大丈夫!」そう思っている人、そう確信している人も多いと思いますが、ヤツらは人の心理を巧妙に操りながら迫ってくるようです。
FacebookなどのSNSでいきなり友達申請が送られてきたことはありませんか?
「いったい誰だろう?」と送り先の本人ページを訪れ、プロフィール写真がイケメンだったら、あなたはどんな気持ちになりますか?しかもプロフィールに米軍人、会社役員、経営者と書かれていたら…

まず思うのは「えっ?なんでこんなイケメンから、なんでこんな立派な人から申請が来たんだろう?」でも次には「イケメンだし、素性もしっかりしているし、つながってもいいかな」

ロマンス詐欺は友達申請から始まり、つながるとあなたに直接メッセージを送ってきます。最初は挨拶や自己紹介程度でしょう。何度かメッセージをやりとりし、次の段階には内容がパーソナルなものとなり、仕事の愚痴や家族の問題へと話が変わっていくでしょう。そうやって、SNSを通して心の壁を崩していくのが彼らの手口のようです。
壁がなくなった頃、彼らはさらに次の段階へ。仕事のトラブルや病気の話題など、ごく親しい人にしか話さないであろう話をしてくるようになります。

こうやってお互いの関係が出来上がり、心を許しあえる存在になると、あなたへ愛のアピールが始まります。そしていつの間にかSNS上では恋人の関係になっていることでしょう。

もう彼はあなたの恋人も同然です。彼はいろいろな悩みをあなたに相談してきます。きっとそこには具体的なストーリーが組み込まれているでしょう。何かしら自分は非常事態に直面していると切り出してきます。同情したあなたに対して、次にお金の話をしてくるでしょう。しかし、決して彼は金欠ではありません。プロフィール上仕事では重要なポストを任されていて、十分な経済力がある立場のはずです。しかし、今すぐ、お金を引き出すことができない状況にいる、例えば貿易関係で海外にいて自分の蓄財が急には持ち出せないから、緊急事態でどうしてもすぐにお金が必要なことを伝え、送金してほしいと話すでしょう。しかもその額は、最初は小額からです。

「ありがとう!きみのおかげで助かった。本当に感謝している。すぐに返すよ」そして「早く会いたい」、「早くきみの顔が見たい」と話しかけてくるでしょう。
すると、いつの間にか次の送金のお願いは、前よりも高額に変わっているはずです。

この時点で気がついたとしても、もう遅い。
すでに詐欺に引っかかっています。

恋は盲目。でも友だちの言葉には耳を傾けて!
国際ロマンス詐欺ではないかと思い始めたら、絶対に送金の話に応じてはいけません。あなたの銀行口座や暗証番号も教えてはいけません。相手がグループで動いているケースもあるので、直接会うことは危険です。送金にはウェスタンユニオンマネーグラムなどの国際送金サービスを利用していることが多いようです。なぜならウェスタンユニオンやマネーグラムは、安い送金手数料がメリットで、国によってはIDカードなどの個人認証なしでも「秘密の質問」とMTCN(送金番号)が一致すれば受け取れるシステムになっているからだそうです。

詐欺と気づいたら、次の被害を避けるためにSNSはブロックしてください。

「彼とのつながりがなくなる」「もしかしたら間違いかもしれない」そんなことを決して思ってはいけません。

そして、いちばん大事なのは、「騙されているんじゃないの?」「それおかしくない?」と助言してくれる身内や友人の言葉に耳を貸すことです。

お金を送金させるための「I LOVE YOU」は決して信じてはダメ絶対!

コラムニスト:JIMMY

伊集院 遥
人生の移ろいを感じながら、風のように生き、雨のように歌い、太陽のように人を照らしたい。