紅白歌合戦2019 MISIAのパフォーマンスのLGBTQカルチャーに思うこと

観ました?紅白歌合戦2019のMISIAのパフォーマンス。
びっくりしました。すごく綺麗でした。
なんか雰囲気が海外のゲイナイトイベントのようだなと思って観ていたんですが、ゲイナイトイベントでした。

ドラッグクイーンやポールダンスのパフォーマンスが素敵でした。私は友人と観ていたのですが、友人の解説がなければ、ここでパフォーマンスをしているラッグクイーンのことはわからないし、「女装家」のミッツ・マングローブがコーラスでいることもわからなかったと思います。レインボーの旗も「ただ、LGBTフレンドリーだから掲げてるのかな」といったレベルでしか理解できなかったかもしれません。ある意味、観る人のLGBTカルチャーの教養度が試されるパフォーマンスだったのではないかと思います。

その人がLGBTQ当事者であることと、LGBTQカルチャーは全く別もので、LGBTQカルチャーについて知らないLGBTQ当事者は少なくない。むしろ知らない人の方が多いのかもしれない。
LGBTQカルチャーを生み出している人やそれを消費している人にとってMISIAのパフォーマンスはLGBTQフレンドリーを体現したものかもしれない。しかしながら、そのメッセージが果たしてどれだけの人に届いたのかはわからない。
パフォーマンスがLGBTQと関係しているという点はあまり注目されていないし、そこはあえて無視しているようなメディア表象もみられる。逆にネット記事ではそこを強調したものも、もちろんみられるが。

メディアでの表立った解説は、「LGBTQの人はLGBTQカルチャーを持っている人である」というステレオタイプ的な偏ったイメージを植え付けることにもなりかねないので、むしろ、あのパフォーマンスに「LGBTQ」という言葉を付与しなかったのではないかという見方もできる。

ここら辺の話は多少難しいものになると思う。ただ、何を優先させるべきかといえば、それは『多様性」という視点なのではないかと思う。「多様性」という視点を土台にして「LGBTQ」という視点が成立している。
そして、LGBTQは性自認と性的な「しこう性(指向や志向など)」を表しているセクシュアリティに関する区別であって、その人がどの様な趣味を志向し、どの様な性格なのかということは関係ない。

だから「自分はLGBTQのBなんです。」と誰かに話した際に、「LGBTQ知ってますよ。あの紅白歌合戦でMISIAとパフォーマンスやってた人たちとかですよね。」みたいに言われるのはちょっと違う。というか勘違いしている。おそらく、日頃、ゲイクラブイベントで遊んでいる人(ゲイカルチャーを消費している人)ほど敏感に反応し、拒絶するかもしれない。

LGBTQのカルチャーといえばブライドパレードが有名であると思う。しかしながら、私は、このパレードがあまり好きではない。これは個人的なものです。それよりもゲイナイトイベントが好きです。
音楽とレーザービームとLEDの大画面の舞台で繰り広げられるパフォーマンスが好きなのです。そして、その素晴らしさや面白さを伝えたいと思い。2019年は海外のゲイイベントを中心に記事を書いてきました。2020年も引き続きゲイナイトイベントについて紹介する記事を書いていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

過去の記事
(準備編)アジア最大級のゲイイベント SONGKRAN G-Circuit 2019に行くために

台湾最大級のゲイイベント「Pride Formosa」10月開催!