「この転職エージェントの人は仕事できなさそうだけど、まいっか。」ということをやめて、すぐ利用をやめてみる。

転職エージェントから面談のお誘いがあり、とりあえず受けてみることにした。しかし、わかったことは「この人はたぶん仕事が出来ない」ということ。細かいことに気が付けない人、時間管理がルーズな人なのだろうということだった。いままでは、転職エージェントに不満があってもそのまま、転職先の情報について聞いて、採用フローを進めるということをしていた。

しかし、時間をとって考えれば考えるほど、腹立たしいことだなと思い始めた。

基本的に転職では「希望年収を下げろ」、「就業環境の希望を下げろ」などということを何度もエージェントの人から言われる。そして、あれが悪い、これが悪い。残念ながら不採用です。といったことを理不尽にもサクサクと消費していくことが求められる。

つまり、テンションの下がることばかりなのだ。やる気になるようなイベントは転職エージェントには期待できない。

にもかかわらず、初回の面談の段階で、信用のおけない人に転職先を探すことを、事の成り行きでお願いするということをしがちだ。しかし、それはあまりにも馬鹿げていることなのではないかと思った。転職者のことはバッサリ切り捨てるし、転職者は的を得ているのかどうかわからない転職エージェントのコメントに精神をすり減らしていくのはおかしい。転職エージェントのみがギランギランとドヤ顔でアドバイスのようなことを振りまきながらコチラを疲弊させるのは間違っている。

落ち着いて考えてみればわかることだけれど、その「仕事の出来なさそうな人」のみが自分の転職を成功に導く人ではないことは明らかだし、そのレベルの人がそもそも持っている、案内してくる「非公開求人」なるものが良質である保証はない。

そもそも、予め提出しておいた履歴書や職務経歴書に目を通すことなく即興的に場当たり的に面談をしてくるような人は無礼であるし、「仕事がデキない人である」と思う。即興的に場当たり的に面談をしたとしても面談を受けた側がそうしたことを感じない場合はまだ良いが、実際には何も準備していないし、場当たり的で頼りないなと思ってしまったわけなのだから不満を抱えることになった。

転職エージェントと転職者との政治的な関係性はどうしても転職エージェントのほうが上であると感じてしまう。転職エージェントに嫌われてしまうと良い転職先を紹介してくれない、もしくは邪魔されるのではないかと恐れてしまうからだ。だから、転職者は多少なりとも転職エージェントに不満があったり、信用できなかったりしても愛想よく振る舞ってしまいがちだ。そして恐らく不幸なことに、デキない転職エージェントはそうした行為を勘違いして、「自分は転職者から信頼を得て、頼られている」と思っていたりするのではないかと思う。

あぁ、無駄に1時間も面談した時間を返してほしいぐらいで、腹が立ってきた。いつまでこんな気持を抱えて、我慢して耐えなければならないのか。

耐える必要はあるのか?
現代的な、Me too的な考えならば、耐える必要はない。そしてこの不快感を表明することはある種の価値があることなのではないか。

だから、企業が不採用の際によく使う、「今回は採用を見送らせていただきます。」という言葉をあえて使用して、サービスの利用を辞退するメールを送った。しかも、転職エージェントの対応として何が悪かったのか、失望した点は何なのかについての理由を箇条書きでわかりやすく添えて送ることにした。

すると、転職エージェント本人からではなく、上長からお詫びと、担当を変更して継続させてほしいという旨のメールを頂いた。とても丁寧な対応をしていただいたが、その会社の転職エージェントを利用することはもうしないし、友人に相談したら利用をやめるように勧めると思う。

ブラック企業について敏感になるのが当たり前の時代であるが、転職の際はよく転職エージェントを吟味して、ちょっとでも自分に合わなかったり、不快に思い、信頼関係が気づけないと思えばすぐに利用を辞めるべきであると思う。その際には丁寧なお断りメールを入れることもお忘れなく。

ちなみにその転職エージェントへ不採用のメールを送ってから12時間後に別の転職サイトで応募した企業から採用面接に進む通知のメールを受け取った。私の場合はとにかく我慢せず、これはちょっと嫌だなと思ったことはバンバン切り捨てたほうが回り方が良くなるのかもしれない。

GORILAX
コラムニスト ふと湧きだす好奇心から、いろんなセカイを巡るのが好き。実際に現地に足を運んで、海外のイベントや食、文化についてのコラムを執筆したり、国内の「面白いもの」について紹介していきます。社会学、文化人類学の視点からもアプローチしていきます。