パンデミックで進化していく生活スタイル

ニンゲンは知恵と工夫で、
悪いことの中にも楽しさを見出せる生き物だ

2020年という年は、今を生きる私たちにとって忘れない西暦となっただろう。そして間違いなく、教科書や歴史の文献にも刻まれることだろう。得体の知れなかったウイルスが世界を蝕み、映画でしか見たことがなかったパンデミックの脅威が、あっという間に現実となった。「ロックダウン」「オーバーシュート」「クラスター」「ソーシャルディスタンス」意味不明な言葉がニュースにあふれた。
当初は、2、3ヶ月もすれば平時に戻るだろうなどと鷹を括っていたが、マスク不足が起こり、消毒薬やハンドソープなどが一時市場から消えたこともあった。医療現場では防護服が足りず、簡易レインコートを代用する姿さえもニュースで流れた。緊急事態宣言が発出され、街に出るなと強要され「ステイホーム」を言い渡され、時短営業により、飲食店などは、瀕死の状態に追い込まれている。コンサートやイベントは規制され、動員数を制限されたり、中止や延期となったものも数知れない。
そうした中での日々の暮らしで、私の場合、唯一気持ちを開放してくれたのは、ネット配信されたさまざまなアーティストたちのライブ映像だったり、オンタイムでのライブ配信だった。その時、考えたのが、いかにこのおうち時間を豊かにするか!

私は”アレクサ”に出会った。

我が家に招いたのは、amazonから発売されているスマートスピーカー(通称アレクサ)の3Dオーディオを楽しませてくれるHi-Fiスピーカー「Echo Studio」だった。”音源がなんであれ、「Echo Studio」はその音楽を素晴らしい音で奏でます”というキャッチフレーズに惹かれ、即ポチッと(購入)した。Dolby Atmos技術により空間、明瞭性、奥行きが追加され、多次元オーディオ体験ができるうえ、「Amazon Music HD」を通じて配信される高音質なサブスク音源を極上のサウンドで楽しませてくれる。

計算して配置された5つのスピーカーが部屋を埋め尽くす音を生成し、様々な音が様々な方向から耳に届けられる。もちろんスマートスピーカーとしての機能も優れ、天気予報、アラームの設定、対応スマート家電の操作なども、「アレクサ〇〇」で思いのままになる。
昔から私の生活に音楽は欠かせないものであり、パンデミック禍の中で心の癒しとなるものもやはり音楽だった。レコード、カセット、MD、CD、ダウンロードと音楽の形態は時代とともに変化し、今はサブスクが主流となってきた。その中でも特にAmazon Musicは音質にこだわってたと私は思っている。「Amazon Music」の音質には、通常の”SD”の他に、”HD”と”ULTRA HD”があり、「アーティストが伝えたかった音楽を聴こう」と謳っている。”HD”はほぼCD音質、”ULTRA HD”はCDを超えたハイレゾ音質と言える。

AMAZON MUSIC HDの特徴より引用

技術的なことや音質について、私はド素人である。しかしそんな私でも「Amazon Music HD」がいい音であることはわかる。かくして「Echo Studio」と「Amazon Music HD」によって、私のサウンドライフは実に豊かになった。音楽を聴いているときは、コロナを忘れさせてくれる。
「Amazon Music HD」を取り入れた当時(2020年)は、オプション扱いだったこのサービスが、6月からAmazon Music Unlimited加入でスタンダードになった。Amazon Music Unlimited「個人プラン」(プライム会員は月額780円、プライム会員以外のお客様は月額980円)、「ファミリープラン」(月額1480円)の加入者は、追加料金なしで簡単にAmazon Music HDにアップグレードできるようになったのだ。
7,500万曲以上のロスレス、高解像度(HD)の楽曲を、ビット深度16ビット、サンプルレート44.1kHz(CD品質)でストリーミングすることができる。また、700万曲以上の楽曲を、ビット深度24ビット、サンプルレート最大192kHzのUltra HD(CDよりも高音質)でストリーミングすることができる。これにより、デジタルストリーミング用に圧縮されたファイルでは表現されにくかったニュアンスが、さらに鮮明に聴き取れることになった。
世界中の音楽ファンが、アーティストが意図した通りの最高音質の録音をストリーミングできる時代がやって来たのだ。
パンデミックに縛られながらも、こうしたサービスの進化がコロナによって、どんどん加速していることは否めない。実際、コロナによって日本がITにおいて後進国であることが露見し、政府も躍起になってその遅れを取り戻そうとしている動きも見えてきた。

悪いことばかりじゃない。

火を起こし、道具を作り、狩りをしてきたニンゲンは、どんな困難にも知恵を絞り、工夫していく生き物だ。パンデミックによって、人は新しいアイディアを次々に紡ぎ出し、最悪の状況下でも快適さや楽しさを見出そうとしている。テレワークやオンライン授業といった新しいスタイルも少しは定着したように思える。非接触による支払い方法も随分浸透した。
私たちは、今 人類が進むべき道の分岐点にいる。これからどこに進むべきなのか、これからどんな未来を描いていくのかが問われている。
私たちは、こんな壮大な歴史的な出来事の中にいることを楽しんでみてもいいのではないだろうか。

伊集院 遥
人生の移ろいを感じながら、風のように生き、雨のように歌い、太陽のように人を照らしたい。